日本福音ルーテル教会第二十六回定期総会が四月二九日から五月一日にかけて、日本福音ルーテル教会宣教百年記念東京会堂(東京教会)において開催された。総会議員として全国各地から参集した教職、信徒の人は220名を数えた。
本総会では、「キリストに支えられ、育てられ、成長し、社会に仕える教会になろう」との標語のもと、全部で12号の議案が協議された。
聖餐礼拝から始まった総会は、来賓挨拶(日本キリスト教協議会、日本ルーテル教団)、続いて退任・召天・新任教師の紹介が行われた後、議事に入った。
◆第25総会期活動報告承認
まず、議長報告から過ぐる二年間の活動と課題・対応が報告された。二〇一二年から八年間に渡る宣教方策をまとめた第6次綜合方策の中で、二十五期は優先的に「震災支援」、「財政」、「宗教改革500年」と三つに絞り込んだ課題への取り組みが報告された。そして事務局長~各室長報告、世界宣教~各教区、諸委員会、諸施設、関係団体報告が続き、ルーテルグループが全体として多岐にわたる務めを実践している姿が浮かび上がった。審議では「社会に仕える教会」のあり方を巡り、実際に起こる事柄に関する、ルーテル教会の会員及び信仰者としての理解と行動等の議論がなされた後、活動報告は、議場より承認をうけた。
◆役員選挙
執行部選挙が行われた結果、第二十六総会期議長には立山忠浩氏が再任された。副議長・大柴譲治氏(新任)、書記・白川道生氏(再任)、会計・豊島義敬氏(新任)が選出され、これに信徒選出常議員、各教区長及び教区選出常議員を加えた新常議員会の組織も承認された。
◆教会組織の変更
九州教区・大江教会と宇土教会「教会連立」の件が承認された。
◆東日本大震災救援活動
二〇一一年三月から活動してきた「ルーテル教会救援」につき、青田本部長、野口勝彦派遣牧師、佐藤スタッフより、諸々の組織(全国の各個教会・他教派・初動から現地拠点づくり、ボランティア等)、海外からの支援受け入れ態勢、会計執行、現地での要請と活動内容など、震災支援の広範な実践報告がなされ、感謝をもって承認された。
◆礼拝式文の改訂
来る二〇一七年の完成を目指して改訂作業を担ってきた式文委員会(平岡仁子委員長)により、改訂式文案が解説と共に議場で実演された。変更はメロディ、言葉、順序に及ぶ内容であり、全国の教会の実情に照らして多数の議員から意見や提言が出された。またアンケートも実施されて、引き続き、同委員会にこの調整がゆだねられた。
◆宗教改革五〇〇年記念事業
マルティン・ルターの宗教改革から五〇〇年を迎える二〇一七年、これに向けて、日本福音ルーテル教会全体として策定した記念事業計画案が宣教室より提案された。単なる祝祭イベントに終わらせずに、この機会を通して、教会の内に向けては「ルーテル教会に属することの誇りや感謝の思いを深める」、教会の外に向けては「改めて聖書が指さしている事柄に広く、人々が目を向ける事をめざす」と、事業の狙いを定めて展開する姿勢が強調された。
全体教会で企画実施する主要な三つは「推奨四冊の出版を通した活学運動の展開」、「全国巡回企画の実施」、「記念大会の開催」。また記念事業が教会だけでなく、学校・幼保、施設等広くルーテルグループで取り組まれていく展開と募金活動の実施も含めた提案内容であった。議場からは有益な宣教の機会となる期待を前提にした更なる提言や要望が積極的に挙がり、記念事業計画は共に承認された。
◆二〇一二・十三年度決算書・会計監査報告及び二〇一四年度実行予算、二〇一五・一六年度当初予算の承認
森下博司会計より、二十五期の全体教会の財政と諸部門の財務状況が説明された。規模の大きなものとしては在京の収益事業建物で耐震工事を実施した影響が報告された。
また豊島義敬財務委員長からは、過去40年間の収益事業の経営推移が紹介され、変遷はあったが宣教に益する収益事業となっていた事実を確認した。反面、収益事業建物の老朽化に伴う更新を課題と指摘がなされた。
緊急の課題とされ、全体的な対応を取ってきている退職教職退職金・年金制度は、収益事業と各教会の財政拠出によりぎりぎり成立している現状が報告された。
議場では、ひっ迫する各教会の財務状況を背景にした意見も出され、協議の後、財務関連提案は承認された。
(※詳細は、発行される定期総会議事録を参照ください。)
総会書記 白川道生