ラベル

2024年5月10日金曜日

「永住資格取り消し法案」の廃案を求める要望書提出

社会委員会が下記の要望書を首相ならびに法務省に送付をいたしました。


 2024年5月9日

内閣総理大臣 岸田文雄様
法務大臣    小泉龍司様

「永住資格取り消し法案」の廃案を求める要望書

 わたしたちは、どの国の人であろうとも人としての権利と生活が守られるべきという立場から、現在国会で審議されています入管法・入管特例法改定「永住権取り消し法案」に反対し、同法案の廃案を求めます。
 わたしたちの社会には、さまざまな民族的背景や国籍をもった、300万人を越える外国籍の住民が暮らしています。しかしこの法案は、こうした方々が安心して仕事をし、家族を形成し、子育てをして地域社会で生活していく人としての権利を奪おうとするものだといわざるを得ないからです。
 日本において「永住許可」を得るには、一般に10年を越える継続的な居住の他、膨大な書類の準備に加えて、申請後も長期間に及ぶ厳しい審査が課せられています。そこまでして永住資格を取得しても、国外に出るにあたって再入国に許
可が必要であったり、在留カードの常時携帯が義務づけられるなど、諸外国と比べて一段と厳しい条件が付されています。ところが今回の一連の法改定は、そうした要件を緩和するのではなく、いったん取得した永住資格を行政の恣意的な運用によって簡単に取り消すことができるような内容となっています。この法案は、永住資格を取得した外国人であっても、在留カードの常時携帯、7年ごとの在留カード更新、14日以内の住居地変更届け出などの入管法に違反した場合、税金や社会保険料を支払うことが出来なくなった場合、住居侵入罪などにより執行猶予を含む拘禁刑1年以下が科せられた場合には、その永住資格を取り消すのだといいます。つまりどれだけ日本で生活し、家族と共同生活を営み、生活の基盤を築いたとしても、事業失敗などで税金や社会保険料を滞納しただけで、日本社会で生活していく根拠を剥奪するというのです。このような軽微な法令違反で永住者としての在留資格を取り消すこの法案は、日本が加入する人種差別撤廃条約の第2条(締約国の差別撤廃義務)と第5条(非差別・法の前の平等)、自由権規約の第2条(締約国の差別撤廃義務)と第26条(非差別・法の前の平等)にも、明確に違反しているといえます。
 こうした法案が成立すれば、外国籍住民は日本社会で安心して生活できなくなりますし、また日本社会に定住し、住民としての責任を果たしていこうという社会形成への責任的思いすらも阻害しかねません。
 わたしたちは、日本にあるキリスト教会として、このように大きな問題をはらんだこの法案の廃案を求めます。また、聖書が教える共に生きる社会の実現のために、外国籍住民が安心して社会で生活していくことが出来るような、包括的な
外国籍住民の保護法である、外国人住民基本法の制定を求めます。

主は寄留の民を守り、みなしごとやもめを励まされる。
しかし主は、逆らう者の道をくつがえされる。(聖書 詩編146篇)

東京都新宿区市谷砂土原町1-1
日本福音ルーテル教会
社会委員会委員長 小泉基



2024年5月9日木曜日

社会委員会学習会のお知らせ

 1)「ジェンダー正義の視点で聖書を読む」オンライン学習会

・添付のチラシにありますように、5月21日7時から

        スピーカー:安田真由子さん(都南教会)

        リンク送付を希望される方は sapporo@jelc.or.jp コイズミまで



2)「永住権取り消し法案」反対アクション 仲間の声 緊急集会 ≪オンライン≫

  日時:4月26日(金)午後7時~8時30分

  参加申込:https://forms.gle/cFACuWWZLR75z4EBA

   ◇第一部◇    発題「永住取り消しは“21世紀日本版”アパルトヘイト」

        ◇第二部◇     仲間たちのリレートーク「私も言いたい!」

                                *外国人の仲間から、日本人の仲間から

   ◇第三部◇    参加者みんなからの提案

                                「私たちは、これからどうする?

                                                    私はまず教会で、地域でこれをする!」

◇主催◇外キ協/NCC在日外国人の人権委員会/マイノリティ宣教センター(CMIM)

*法案に反対する団体署名、個人署名を募っています。署名用紙希望の方は、sapporo@jelc.or.jp コイズミまで


    
日本福音ルーテル教会
社会委員会
小泉基

2024年5月8日水曜日

故人である元牧師の性暴力報告に関して

 2023年10月10日付けで、旧・岡まさはる記念長崎平和資料館(現・長崎人権平和資料館)インターネットサイト(https://www.nagasakijinkenheiwa.com/)において、当教会元牧師、岡正治(故人)の性暴力についての報告がなされました。


 当教会は、「キリストの命に従って、すべての人に福音を宣べ伝え、教会を建て、愛による奉仕をなし、これらのことによって神に仕えることを目的とする」(日本福音ルーテル教会憲法第9条)ものとして、すべての人の尊厳が守られることを目指してまいりました。

 それにもかかわらず、かつて当教会で牧師をしていた者が性暴力によって当事者である女性に深い痛みを与えてしまったことを、わたしたちも自らの罪として重く受け止め、神の御前で悔い改めて、当教会を正していく所存です。

 当教会は、いかなる性暴力・性虐待も容認しないという立場を表明いたします。
性暴力・性虐待に関して、防止のみならず撲滅を目指した取り組みを教会全体として進めてまいります。
 キリストの体である教会が、すべての人にとって安全であり、魂を委ねて安らぐことの出来る場所となるよう、今後の働きにおいても当教会は、性の尊厳を踏みにじられた人々の立場に立ち、いのちの尊厳の回復に努め、取り組みを進めてまいります。

 なお、平和資料館が表明していますとおり、被害者のプライバシー侵害や二次被害につながりかねない、被害関係者の詮索をお控えくださいますようお願い致します。

2024年5月8日

日本福音ルーテル教会総会議長 永吉秀人