毎年夏に一週間の会期で開かれてきた「一致に関するルーテル=ローマ・カトリック委員会」が、八月一二日から二〇日の会期で、京都の聖公会教区事務所の会議室をお借りして開かれた。
ドア一枚を隔てたパレスサイド・ホテルが委員の宿舎となり、朝晩の礼拝は歩いて三〇秒の聖公会主教座聖堂、聖アグネス教会を使わせていただいた。
テーマは、「洗礼と交わりの成長」であった。誰もが洗礼によってキリストの一つの体に結び付けられているのに、どうして教会の一致の目に見える徴である聖餐が分かれているのか、どうしたらそれを克服できるのか、という問題である。
四回の委員会を経てまとめた『対決から交わりへ』という共同文書が六月に公表されたばかりなので、今度はまず、大幅に共通の理解を持っている洗礼を足掛かりに、最大の問題である聖餐の一致をどのようにして達成するのかが、目標である。
カトリックの委員とルーテルの委員が、朝晩の礼拝を毎日交代で担当するのだが、カトリックの担当の時にはルーテルの委員は陪餐せず、ルーテルが担当するときにはカトリックの委員が陪餐しないということを毎日繰り返すので、いやでも聖餐における分離が目立つ。「洗礼で一致」、「聖餐で分離」というというこの事態をどうしたら乗り越えることができるのか、今回の議論を通しても、道は遠いという思いがした。しかし、「継続は力なり」だし、「最後まで耐え忍ぶ者は救われる」ので、ここは「忍耐強く継続する」のが大事であろう。
一八日の日曜日はそろって京都教会に出席し、その後、京都の史跡巡り、一九日は奈良の史跡巡りをした。この間、日本聖公会の多大な協力を受け、カトリック教会からもサポートがあり、一五日には日本福音ルーテル教会による歓迎夕食会が開かれた。
「一致に関するルーテル=ローマ・カトリック委員会」のルーテル側委員 鈴木 浩