ラベル

2013年10月23日水曜日

2013年宣教会議が開かれました

「この宣教会議では、課題認識を共有し、それに対してどのような対策が必要なのかを議論し、できる限り具体的な取り組みを見いだすことを狙いとする」。
 立山忠浩総会議長が冒頭に会議の狙いを述べて、第25期では2回目となる宣教会議は始まった。出席者は各教区常議員より3名づつ、加えて本教会四役、信徒選出常議員と各室長の合計22名。

 二日間を四つの会期に分けて、第Ⅰ会期では、二〇一二年全国総会で採決された広範な「第6次綜合方策」のうち、優先的に推進してきている三つの主要課題に対する取り組みの報告がなされた。
 最初は、東日本大震災へのルーテル教会救援の振り返りとこれから。
 青田対策本部長はスライドを交えて、震災当日からこれまでの足跡を説明した。続いて白川氏は宣教室長として、2017年に向けた宗教改革500周年記念事業計画の、ここまでの取り組み概要を説明した。ここで、しばし全体での意見交換が行われた。
 そして、この宣教会議で最も多くの時間設定を充てた、教会の財務に関する討議に入った。
 はじめに青田管財室長から日本の人口動態推移、会員構成、基礎収入及び維持献金と教職給与との対比等、種々の説明がなされた。今回は、立山議長の発案により、各個教会の財政状況から将来を予想する目的で、事前に各教区で集計と分析作業をしてもらっていたので、この全国15の教会を抽出したデータ結果を持ち寄り、討議に臨んだ(詳細は、後日発行の報告書参照)。
 協議は主として、会員の年齢内訳と維持献金額内訳に視点が向けられ、教会員数の年齢別分類によれば60歳代より上の会員層が全体構成比で60%に達している教会の現状と、昨今の推移から見て確実に10年後には現在の運営規模を下回るだろう予測が出席者共通の認識となった。
 また社会状況の推移も見込む将来の教会財務予測でも、維持献金の金額が下落する見方でおおむね一致をした。
 所得水準の減少傾向、総じて教会員の「献げる」という意識が従来よりも乏しく感じられる傾向、ひいては、単純に教会の財政運営にのみ連動する形にならないような「献身・献金教育」への反省と必要性など、議論は多岐に拡がった。財政規模が下落する見通しへの現実的対策を切り口として、教職給与の基本水準や教職退職年齢の見直し、給与と年金の組み合わせ方等々、様々な視点から、宣教を推進するこれからの教会の在り方が議論される時間となった。

 第Ⅱ会期は、各室長による発題で、徳野広報室長は「機関紙るうてる」の充実を一層図るために、各教区、各個教会からの積極的な情報提供が不可欠であること、加えてインターネットによる情報発信に通じた担当者確保について提言がなされた。
総務室と宣教室を兼ねた発題として白川室長からは、所謂「教職の大量引退」試算、教職の兼任状況、学校/幼保/施設等の兼務率といった教職の基礎動向が説明され、その上で、教職数には制限を設けるのが良いのか?   教職の他法人における働きを積極的に定義すべきか? との発題があった。

 引き続いて第Ⅲ会期では、後藤由起牧師より、米国留学の学びについて発表していただいた。「宣教」の分野、特に教会の成長やリーダーシップに焦点を当てた研さんを深められてこられ、その成果は今後、現在の任地で、そして、広く日本福音ルーテル教会に分かち与えられることになるだろう。
 留学中の学びから、ルーテル教会を含む伝統的な教会が、自分たちのその伝統的な部分を新たに取り込み、また、意図的に実践することによって「教勢」を回復しつつあることや、現代人がスピリチュアリティに興味を示しつつも、それが教会的、聖書的なものとはかならずしも一致していない現状などを語ってくださったことも印象に残った。

 最後の第Ⅳ会期は、出席者全員がそれぞれに、二日間の討議から感じ取った問題提起と対策案を述べた。そして会議は閉会礼拝をもって終了した。
 今後、この会議で課題掌握が進んだ事柄への対策が常議員会に求められていくことになる。
 なお今回の会議は、従来の二泊三日から短縮を図り、9月30日~10月1日にかけて、東京教会と市ヶ谷センターで開催した。従前の実質審議時間は保ちながら、二日間で開催する模索であったが、無理なく実施できたとの感想をもった。
  宣教室長 白川道生