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2013年9月30日月曜日

一致に関するルーテル=ローマ・カトリック委員会、京都で開催

毎年夏に一週間の会期で開かれてきた「一致に関するルーテル=ローマ・カトリック委員会」が、八月一二日から二〇日の会期で、京都の聖公会教区事務所の会議室をお借りして開かれた。
 ドア一枚を隔てたパレスサイド・ホテルが委員の宿舎となり、朝晩の礼拝は歩いて三〇秒の聖公会主教座聖堂、聖アグネス教会を使わせていただいた。

 テーマは、「洗礼と交わりの成長」であった。誰もが洗礼によってキリストの一つの体に結び付けられているのに、どうして教会の一致の目に見える徴である聖餐が分かれているのか、どうしたらそれを克服できるのか、という問題である。
 四回の委員会を経てまとめた『対決から交わりへ』という共同文書が六月に公表されたばかりなので、今度はまず、大幅に共通の理解を持っている洗礼を足掛かりに、最大の問題である聖餐の一致をどのようにして達成するのかが、目標である。

 カトリックの委員とルーテルの委員が、朝晩の礼拝を毎日交代で担当するのだが、カトリックの担当の時にはルーテルの委員は陪餐せず、ルーテルが担当するときにはカトリックの委員が陪餐しないということを毎日繰り返すので、いやでも聖餐における分離が目立つ。「洗礼で一致」、「聖餐で分離」というというこの事態をどうしたら乗り越えることができるのか、今回の議論を通しても、道は遠いという思いがした。しかし、「継続は力なり」だし、「最後まで耐え忍ぶ者は救われる」ので、ここは「忍耐強く継続する」のが大事であろう。
 一八日の日曜日はそろって京都教会に出席し、その後、京都の史跡巡り、一九日は奈良の史跡巡りをした。この間、日本聖公会の多大な協力を受け、カトリック教会からもサポートがあり、一五日には日本福音ルーテル教会による歓迎夕食会が開かれた。

「一致に関するルーテル=ローマ・カトリック委員会」のルーテル側委員         鈴木 浩

「新しい宣教の展開をめざして」2013年るうてる法人会連合総会、開催される

 

八月二七日から二八日にかけて、日本福音ルーテル東京教会宣教百年記念会堂を会場にして、『第10回るうてる法人会連合総会』が開催されました。2002年に、熊本に集められた教会、学校、社会福祉、幼稚園保育園の働きを託された人々が集まった場で「るうてる法人会連合設立宣言」が出されました。これが第一回の連合会総会でありますが、第10回目となる本総会は、その宣言文から引用した「新しい宣教の展開に向かうために」が主題に掲げられました。
 総会は、連合会会長である教会の立山忠浩議長による開会礼拝から幕を開けました。説教では「聖書を読むと、使徒たちは出かけて行っては、ひとつの場所に帰ってきた様子が描かれているが、戻った使徒たちは同労者として互いに今日の様子を報告し合い、議論もしただろう。或いは励まし合い、祈りあったに違いない。そしてまた、新しくされて出かけて行った。法人会連合は、主の御前で、このような場ではないか」と明確なメッセージが述べられました。

 次に、藤藪庸一(ふじやぶよういち)牧師を基調講演にお迎えしました。(写真右)「自殺の名所」と呼ばれる、和歌山県白浜市の三段壁にほど近い「白浜バプテスト基督教会」の牧師であり、自殺防止から自立支援まで取り組むNPO法人代表も務める藤藪牧師は、この活動を通じて問われているのは、まず「良心と覚悟」であると語られました。「昨年、NHK番組プロフェッショナルに出演された後日談」、「現代に生きて働かれる神様を証明する業と自覚している」、「立ち直っていく人に共通した要素は、時間と場所と人の助けであった」等、体験に裏打ちされた言葉が力強く迫ってくる講演でした。

 引き続いて、シンポジウムと発題のプログラムでは、主題を踏まえ、法人格の違いを超えて「新しい宣教」を共に担うために共有すべき事柄や新しい宣教とは何かについて、高井保雄牧師の司会により討議がなされました。

 石居基夫氏(ルーテル学院大学教授)は神学校が牧師とキリスト教指導者の養成という出発から、心と福祉と魂の高度な専門家養成、来年からの他者支援の専門職養成にまで拡がってきた教育の展開こそが新しさであり、多様な宣教課題を意識したミッションの実践そのものであったと述べられました。更に、学校がキリスト教精神に基づき、人を愛し、他者を支援する人材育成の使命を自覚し、実現してゆく目標実現には、教育者の確保・育成が極めて重要と指摘されました。

 キリスト教社会福祉の実践からは高橋睦氏(社会福祉法人東京老人ホーム施設統括長)が、使命に基づく方針として、高齢者施設での新しい取り組みと位置付ける看取りケアの実践報告をされました。現在の医療機関との関係を見据えて、施設が、終の棲家となるための準備に取り掛かって見えてきている、死についての働き人の理解、利用者も含めた霊的要望への応えといった課題に関して、具体的に教会と協働する様子と今後の可能性等について語られました。

 白川道生氏(ルーテル教会事務局長)は、この連合会では教会+教会をより広げて、宣教は伝道(教会)+教育(学校、幼保)+奉仕(社会福祉)=「宣教共同体」と宣言したと説明の上で、我々は創業の祈りからここに至るまで貫かれた一道に加えられており、クリスチャン、ノンクリスチャンを超えて集められ、選ばれた働き人ではないか?また託された働きに応える活力は、感謝と良質の誇りではないかと語りました。
 発題では、市川一宏氏(ルーテル学院大学学長)は私たちに求められている事柄を列挙した後、これに取り組んできたルーテルグループの足跡を紹介しました。現状の急務は働き人の養成と括り、これを進めるために連合会に研修チームを設置して研修と個別支援を推進できる専任チーム組織の提言がなされました。滝田浩之氏(ルーテル大阪教会牧師・連合会組織検討委員会長)は連合会の構成員を拡げる必然を指摘し、連合に加わる中で、奨学金等具体的な制度利用により相互支援が可能となる実益ある態勢づくりへの取り組みを提言されました。

 中島康文氏(社会福祉協会会長)は、法人会連合が目指すは、法人の違いはあっても、それが制約に作用せず、各々が主体的に役割を果たしながら、目標を共有し共に力を合わせて活動する「協働」ではないか? この点で、より新しく作り上げてゆくのは「宣教協働体」になるだろうと用語使用と組織定義に関する提言がありました。
 終了後の夕食は、東京教会の集会室が懇親会の会場に変わり、徳野昌博牧師の司会で、68名を数えた参加者が互いに自己紹介をして、和やかに交流が深められました。

 二日目は、東日本大震災のルーテル教会救援となりびとへの派遣牧師である野口勝彦牧師により、スライドを交えて、現地報告と支援の取り組みを通した証しが語られるディボーションをもって、始まりました。
 この後、参加者は6グループに分かれて、それぞれの持ち場での働きを踏まえながら、昨日からの投げかけについて、またこれからに向けた総会提言などを分科会に分かれて話し合い、分団の発言趣旨は再度全体に戻り、相互に発表、話題共有がなされました。
 
 総会協議では、各法人会及び連合会諸委員会の活動報告がなされ、相互理解を深めた後、今後の活動方針が協議されました。まずは、今後8月の最終週には法人会連合による何らかの企画が実施される前提をルーテルグループで共有する基本合意がなされ、2014年は「研修会」を実施、開催地は熊本とする決定がなされました。更に、本総会での発題を通した提言と、各委員会及び分科会で上がった要望事項の実現に向けて、各法人会・諸委員会で協働する同意が出席者同士で確認されました。

 二日間にわたった相互報告、討議、励まし合いと祈りは、終わりに、青田勇副議長による閉会礼拝で祝福を受け「宣教共同体」として派遣され、それぞれの宣教地域に、新たに出かけて行きました。
  事務局長 白川道生

2013年9月23日月曜日

第51回関西地区CS合同キャンプが開かれました

 
あついあつい都会から、山深い奥猪名川健康の郷で、第51回関西地区CS合同キャンプが開催されました。総勢69名。
 テーマは何と!「ルター」。2017年の宗教改革500周年に備えて、ルターの生涯と人となり、そして働きについて少しでも子供たちと分かち合いたいと準備を進めました。
 昨年の11月には神戸ルーテル神学校の正木牧人校長をお呼びして、「子供に伝えるルター」と題して講演を頂き、神戸ルーテル神学校の神学生たちが演じた、「ルターの生涯」の劇のDVD監修に関わった田畑牧師からもお話を聴くことができました。
 雷に打たれる場面、回心の場面、ヴォルムスの国会での「我れ、ここに立つ」、書物を焼く場面が描かれることで、視覚の力で言葉以上にルターを知る方法を教えられました。
 これをもとに、中高生を中心に、関西CS版ルター劇を作ろう!というのが、今回の活動の中心になりました。夜中まで? ルターの生涯に学び、中高生は、中高生の視点でそれを咀嚼して、ビデオに撮ってくれました。
 小学生たちも、開会礼拝の沼崎先生のお話、アイスブレイクでの、「宗教改革に行こうよ!(猛獣狩りに行こうよ!)」、光延牧師のルターの紙芝居、渡辺神学生の朝の礼拝、いずれも熱のこもった先生方のお話に圧倒されて、何となくルターというのは、雷に打たれて、神さまを信じて、聖書を深く読んだ人というあたりまでは伝わったのではないでしょうか。何よりもキャンプファイヤーで撮影された本を焼く場面が、強くまなこに残っている(しまっている)かもしれません。
 中高生の劇は、9月23日に予定されている、西教区50周年記念大会にて放映予定、その後順次、全国の各教会に拡大予定です。乞うご期待(笑)!
(キャンプ長 
    松本義宣牧師)